日韓演劇交流センター「日韓演劇交流ラボ」
西堂行人×みょんふぁ トーク&レクチャー
「日韓演劇交流をたどる旅(4)」
パネリスト:西堂行人、モデレーター:みょんふぁ にて、トーク&レクチャーを開催いたします。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
韓国現代戯曲ドラマリーディング
Vol.6からVol.10まで
前回に引き続き、日韓演劇交流ラボの最終回は、韓国現代戯曲ドラマリーディングの第六回から第十回を取り上げます。
この5回が開催された2013~21年は、韓国の中で歴史的事件がいくつも起こった時代です。この間でもっとも大きな事件は、2014年のセウォル号事件でしょう。300名以上の高校生の命を奪った大惨事は、政府の対応の悪さから一挙に政治的問題になりました。惨事はさらに梨泰院で起こった圧死事件にも引き継がれます。
それに対する演劇人たちの行動としては、ブラックリストに抗議する黒テントでの活動など、政権の転覆までつながり、韓国での政治と演劇の関係を再考させました。#Mee Too問題も大きな波紋を呼びました。これまでの男性主導の劇現場のあり方が見直され、実際糾弾された劇作家・演出家も出てきました。
こうした事態に対して実際にどんな作品が創られ、観客に受け容れられたのか。演劇を運動という視点で見ていくと、検閲問題に真っ向から立ち向かったキム・ジェヨプの『検閲』などはその代表例でしょう。労働問題も格差社会が浮上してきた韓国を映し出します。女性の抑圧が浮上してくる時代に、女性劇作家の活躍は顕著でした。
もう一つ特筆すべきは、リーディングで紹介された作品が日本の劇団でいくつも公演され、交流が実体化されてきたことです。ここまで五〇作品が翻訳され、かなりのストックができたのも成果と言えるでしょう。高名な翻訳賞に輝く翻訳家も数名出ています。
2023年からネクスト・ステップに入るまでの日韓演劇交流の歴史を振り返ってみると、日本で何が可能かを問うことにも通じていくでしょう。最終回は、客席からの自由な発言、参加で多くの意見交換を行ないたいと思います。
対象作:
<Vol.6>2013年2月 『海霧』 作=金旼貞(キム・ミンジョン)
<Vol.7>2015年1月 『アリバイ年代記』 作=金載曄(キム・ジェヨプ)
<Vol.8>2017年1月『アメリカの怒れる父』 作=張佑在(チャン・ウジェ)
<Vol.9>2019年1月『黄色い封筒』 作=李羊九(イ・ヤング)
<Vol.10>2021年1月『激情万里』 作=金明坤(キム・ミョンゴン)
日程
2025年2月10日(月)19:00〜21:00
会場:芸能花伝舎 B2
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-30
・東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅 【出口2】より徒歩約6分
・都営大江戸線「都庁前」駅 【A5】より徒歩約7分
・都営大江戸線「中野坂上駅」「西新宿五丁目」より徒歩約10分
・「新宿」駅 西口より 徒歩約15分
パネリスト:
西堂行人(にしどう こうじん)
演劇評論家。2000年の日韓演劇交流センター創設時から委員(前副会長)として関わり、数多くのシンポジウム、レクチャーに参加してきた。ニュースレター「シアタ―コミュニケーションズ コリア―ジャパン」の編集長、「韓国現代戯曲集」の編集に携わる。2005年に『韓国演劇への旅』を出版。また『小劇場は死滅したか』が2000年に現代美学社から翻訳・出版されている。2023年3月まで明治学院大学文学部芸術学科教授。
モデレーター:
みょんふぁ(洪明花 ホン・ミョンファ)
SORIFA代表。一般社団法人日韓演劇交流センター副会長。
俳優、司会・ナレーション業を中心に活動する他、プロデューサーや通訳・翻訳、演技講師、韓国語教師としても活躍。2014年 文化庁在外研修生として、韓国国立劇団で俳優としての訓練を受け、2015年に韓国国立劇場でデビュー。2017年 小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞。2021年12月、実存した伝説の舞姫“崔承喜”の一人芝居を、鄭義信の作演出で公演。映画「血と骨」「中学生丸山」「水の声を聞く」、日中韓合作映画「湖底の空」(ゆうばり国際映画祭グランプリ)NHKの連続ドラマ『群青領域』『ガラパゴス』に出演など。企業や芸術分野においての日韓通訳や両国の戯曲の翻訳紹介、両国の演劇や映画をプロデュース、各種演劇祭へのコーディネートなど、積極的に日韓交流活動に取り組む。
定員:20名ほど
料金:500円(演劇関係7団体の会員は無料)
お申し込みフォーム
https://forms.gle/YTcscpfRqjQ2ZzVk9
上記のフォームが利用できない方は、
メールにて、件名を「日韓演劇交流をたどる旅(4)」にして
本文に、①お名前(氏名・ふりがな)②連絡先(電話番号、メールアドレス)③ご所属 を明記の上、ご応募ください。のちほど詳細をご連絡いたします。
助成:
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))
独立行政法人日本芸術文化振興会
主催/制作:一般社団法人日韓演劇交流センター
https://tckj.org/
