韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.Ⅹ 俳優オーディションのお知らせ 募集要項

日韓演劇交流センターでは、2021年1月に10回目の『韓国現代戯曲ドラマリーディング』を企画しております。日本でのこの形での公演は、今回が最後になる予定です。この公演に際しまして、出演者を広く公募することにしております。日韓の演劇交流事業として、韓国の現代作家を日本に紹介するためのリーディング公演となります。後述にあるような作品の上演を計画しております。

出演ご希望の方は下記の要項を熟読のうえ、必要項目すべてを応募用紙(書式自由)A4サイズ1枚にまとめ、メールか郵送にてお申し込みください。複数作品の応募可能ですが、今回はこれまでと違い、新型コロナ感染症対策を心掛けての準備となるため、同日に3作品のオーディションを実施はしません。それぞれ別日程で、同時に参加する方が大人数にならないように時間を区切りながら実施いたします。そのため、書類選考を必ず実施することになります。上記にあるように、A4サイズ1枚になっていない方は、書類不備となりますので、ご注意ください。作品ごとに、提出していただいても結構です。

希望作品を選んでいただくため、戯曲の粗訳を準備しております。メールのみの対応となります。必要な方は事務局までお問い合わせいただければ戯曲をメールにてお送りいたします。質問はお電話では対応しかねます。メールかFAXにてお願いいたします。

 それでは、たくさんの皆様からのご応募をお待ちしております。


上演3作品

『椅子は悪くない』

(2002年初演)
【作家】ソン・ウッキョン 【演出】鄭義信 【翻訳】上野紀子

『加害者探求‐付録:謝罪文作成ガイド』

(2017年初演) 
【作家】グ・ジャヘ 【演出】西尾佳織 【翻訳】洪明花

『激情万里』

 (1991年初演)
【作家】キム・ミョンゴン 【演出】南慎介 【翻訳】石川樹里


■お申し込み・お問い合わせ先

メール必ず件名に『2021日韓リーディング』としてください。
akira@tee.co.jp
郵送〒352-0011
埼玉県新座市野火止3-16-24 東京演劇アンサンブル内
日韓演劇交流センター宛
FAX(問い合わせのみ)048-423-8738
日韓演劇交流センター 宛

■応募用紙記載事項(A4、1枚のみ)

記載事項:写真、プロフィール(年齢、身長は必須)、希望作品、志望理由。
書式自由。
必ず連絡の取れるメールか電話番号かを明記してください。

■オーディション日時 

※会場は東京都内となります。書類選考で通った方にお知らせします。

『椅子は悪くない』 10月8日(木)11時~17時
『加害者探求‐付録:謝罪文作成ガイド』 10月13日(火)11時~17時
『激情万里』 10月21日(水)11時~17時

■締め切り

 9月25日(金)18時必着

■結果のお知らせ

書類選考結果 10月2日頃メールにて通知予定
オーディション結果 オーディション後1週間以内にお知らせいたします。

■オーディション参加条件

・韓国演劇に興味のある方で、20歳以上で1年以上の俳優経験者、心身ともに健康の方
・出演料は1ステージ10,000円程度(稽古手当・交通費込み)
・12月の顔合わせ、1月の稽古にすべて参加できること
・公演中は他の作品も必ず観劇し、期間中の行事に必ず参加すること
・チケットノルマはありませんが、積極的にチケットを売っていただくこと
・応募書類は返却いたしません。
※新型コロナ感染症対策に対応しながらの上演となりますので、予定が変更になることがありますので、その際にはご協力をお願いいたします。

■オーディション参加費

無料
書類作成費、郵送費、会場までの交通費は自己負担となります。


■作品について

『激情万里』

1991年初演

【作家】 キム・ミョンゴン
1952年生まれ。俳優、演出家、劇作家。現 世宗文化会館 理事長。前、文化観光部長官。

【翻訳】石川樹里 【演出】南慎介

【あらすじ】
日本の植民地化にあった時代から、朝鮮戦争に至るまでの韓国の演劇史を振り返ることができる作品として、第10回のリーディングにふさわしい。ただし、登場人物が20人以上。 主要人物6~7人、それ以外の役が20人以上。韓国での上演時は俳優18人で演じられた。
1928年春、新派劇団「北極星」がテントで巡回公演をしていると、嵐でテントが倒れ公演が中断する。団長の激しい叱責に、普段から不満を抱いていた団員達は集団で劇団を飛び出す。そんな中、団員のホン・ジョンミンとイ・ウォルソンが結婚することになり、パク・チョルの提案で三人は「開闢座」の『アリラン峠』に出演することになる。しかし、公演中に一人の青年が舞台に駆け上がり、光州学生運動(1929年)のチラシを撒いたことから、劇団は警察に目をつけられ、結局解散させられて団員はばらばらになる。
その後、ホン・ジョンミンは新派劇団である「朝鮮劇団」に、イ・ウォルソンは日本留学から帰国したノ・スンチョルが主宰する新劇団体「芸術劇団」に入って活動するが、結局ノ・スンチョルに恋したイ・ウォルソンは、ホン・ジョンミンと別れる。一方、KAPF(朝鮮プロレタリア芸術同盟)の傘下団体である「新天地劇団」に加入したシム・ヨンボクとジン・ギョンスクは同居していたが、KAPFのメンバーが次々に検挙されるなか、逮捕を避けて逃避する。太平洋戦争により、日本の総動員令が強化される頃、パク・チョルは満州に旅立ち、「朝鮮劇団」の看板俳優として人気を博していたホン・ジョンミンはノ・スンチョルとソン・ジンソプが率いる

日本の植民地化にあった時代から、朝鮮戦争に至るまでの韓国の演劇史を振り返ることができる作品として、第10回のリーディングにふさわしい。ただし、登場人物が20人以上。 主要人物6~7人、それ以外の役が20人以上。韓国での上演時は俳優18人で演じられた。

1928年春、新派劇団「北極星」がテントで巡回公演をしていると、嵐でテントが倒れ公演が中断する。団長の激しい叱責に、普段から不満を抱いていた団員達は集団で劇団を飛び出す。そんな中、団員のホン・ジョンミンとイ・ウォルソンが結婚することになり、パク・チョルの提案で三人は「開闢座」の『アリラン峠』に出演することになる。しかし、公演中に一人の青年が舞台に駆け上がり、光州学生運動(1929年)のチラシを撒いたことから、劇団は警察に目をつけられ、結局解散させられて団員はばらばらになる。

その後、ホン・ジョンミンは新派劇団である「朝鮮劇団」に、イ・ウォルソンは日本留学から帰国したノ・スンチョルが主宰する新劇団体「芸術劇団」に入って活動するが、結局ノ・スンチョルに恋したイ・ウォルソンは、ホン・ジョンミンと別れる。一方、KAPF(朝鮮プロレタリア芸術同盟)の傘下団体である「新天地劇団」に加入したシム・ヨンボクとジン・ギョンスクは同居していたが、KAPFのメンバーが次々に検挙されるなか、逮捕を避けて逃避する。太平洋戦争により、日本の総動員令が強化される頃、パク・チョルは満州に旅立ち、「朝鮮劇団」の看板俳優として人気を博していたホン・ジョンミンはノ・スンチョルとソン・ジンソプが率いる親日演劇団体「国民劇団」に加入し、自己嫌悪に陥る。ノ・スンチョルに失恋し自暴自棄になっていたイ・ウォルソンは唱劇団(パンソリを舞台化した公演)とともに日本に渡り、ホン・ジョンミンは慰問公演のために満州に渡る。満州で朝鮮義勇隊の一員となっていたパク・チョルと再会したホン・ジョンミンは、東北抗日義勇隊所属の文化工作隊に加わって抗日戦線に飛び込む。

日本の敗戦により、中国の延安派とソ連軍の葛藤で入国が難しくなったパク・チョルは延辺に残り、ホン・ジョンミンは帰国して、日本から戻っていたイ・ウォルソンと新たな暮らしをはじめる。シム・ヨンボクとジン・ギョンスクは南朝鮮労働党の団員となり、革命劇団を率いて、ホン・ジョンミンとイ・ウォルソンの娘であるソナが、その劇団の公演に出演する。一方、ホン・ジョンミンは右翼演劇団体に入ることを拒み、演劇活動を停止する。

米軍政の弾圧を避けて越北したシム・ヨンボクとジン・ギョンスクは、朝鮮戦争によって南下し、反米を訴える宣伝劇の稽古をしている最中に、仁川上陸作戦が始まって、春川に部隊を移動をすることになる。ソン・ジンソプは移動中に米軍の爆撃によって死亡、ホン・ジョンミンはイ・ウォルソンの家に避難し、先発隊と一緒に出発したソナは平壌に行くことになる。右翼に逮捕されたホン・ジョンミンは共産主義者として告発され銃殺される。 40年後、延辺演劇界の大家となっていたパク・チョルは、ソウルを訪問し、老人ホームで孤独に暮らしているイ・ウォルソンと再会する。


『椅子は悪くない』

2002年初演

【作家】ソン・ウッキョン 
1968年生まれ。劇作家、俳優。1995年に劇作家としてデビューして以来、40作あまりの戯曲を執筆。

【翻訳】上野紀子 【演出】鄭義信

【あらすじ】
ドクスの家具店で気に入った椅子を見つけたミョンギュ。しかし、その椅子はドクスの娘ソンミが製作したもので、売りものではないと言って、売ろうとしないドクス。ミョンギュはその椅子をどうしても買いたくて、30万ウォン払うから、手付金として3万ウォンを受け取ってくれと、3万ウォンをドクスに手渡す。しかし、この取引をめぐって各人の立場が衝突する。

椅子を作ったソンミは、手付金3万ウォンは受け取らないとして、ドクスに手付金を返すように言う。ドクスは残額27万ウォンも受け取ろうとする。ミョンギュは大金を払ってでも椅子を買いたいと思う。一方ミョンギュの妻チエは、家計が苦しいのに、そんなに高い椅子を買うことはないと主張し、椅子を買うことを諦めるか、手付金3万ウォン以上のお金を支払わないように言う。結局、手付金3万ウォンだけで椅子を買うことで、二人は合意する。しかし、ドクスがかわいそうになったミョンギュは、3万ウォン+7万ウォン支払うことを約束する。しかし、お金がないミョンギュは、残金7万ウォンが払えず、ドクスはミョンギュから金を受け取るために彼の後をつけけ回す。結局、ドクスはミョンギュの家に押し入って、椅子を奪い、手付金を返して帰る。椅子を持って帰ってきたのを見たソンミは、誰からも愛されない自分と椅子の身の上を悲観し、命を絶ってしまう。

幕を閉じたかに見えた演劇が、時間を巻き戻して再び始まる。ミョンギュはゴッホと芸術作品の価値を云々し、ドクスを言いくるめて椅子をただで持ちかえる。その後ドクスの家具店は店を閉め、ドクスは寝込んでしまう。 ソンミは、「父が健康を害したのはミョンギュのせいだ」とミョンギュを非難する。しかし、ミョンギュとジエはそんなことにはお構いなしに幸福だ。

幕を閉じたかに見えた演劇が、時間を巻き戻して再び始まる。ミョンギュは10万ウォン払って椅子を持って帰る。しかし夫の行動が理解できないジエは家を出て離婚を宣言する。

再び巻き戻された時間。全員が集まった席で、ミョンギュは椅子を作ったソンミに、この椅子を他人に与えたら何が残るのかと質問し、この椅子は買えない椅子だと結論を出して、椅子を買うことを諦める。


『加害者探求‐付録:謝罪文作成ガイド』

2017年4月初演

【作家】グ・ジャヘ(女性作家)
1982年生まれ。劇作家、演出家。劇団「ここは、当然、劇場」代表。
大学時代に演劇サークルで劇作と演出を担当。2010年に本格的に劇作家としてデビュー。
国立劇団でさまざまな演出家の演出助手を務め、独自のスタイルを見つける。
2012年に自作の『ここは、当然、劇場』を上演し、同じ名前の劇団を旗揚げ。

【翻訳】洪明花 【演出】西尾佳織

【あらすじ】
韓国の文壇でセクハラ告発が起こったのは2016年秋。演劇界でのセクハラ告発は、それから1年半ほど遅れた2018年春だった。本作は、演劇界のセクハラが暴露される前に、芸術界のセクハラを舞台に上げた初の作品である。劇の形式は、一般的な演劇のように登場人物が物語を紡いで行く形式ではなく、加害者達が自分達のセクハラを記録した一冊の本を完成させるという形式を取っている。俳優達は登場人物ではなく、記録書の序文、推薦の辞1、推薦の辞2、目次、付録など、膨大な内容を、立ったまま読み上げていく。。

大前提
「この記録は、記録され、完成した瞬間に破棄される」
「これより、芸術界を「この世界」、芸術家を「詩人」、芸術家志望者を「習作生」と呼ぶ」


■上演までの予定スケジュール

2020年
12月21日(月)13:30~17:30『椅子は悪くない』顔合わせ
18:00~全体顔合わせ
12月22日(火)10:30~14:30『加害者探求』顔合わせ
15:30~19:30『激情万里』顔合わせ
2021年
1月15日(金)~26日(火)うち7日程度 稽古@座・高円寺ほか
1月27日(水)19時『激情万里』
1月28日(木)19時『椅子は悪くない』
1月29日(金)19時『加害者探求』
1月30日(土)14時『激情万里』
19時『椅子は悪くない』
1月31日(日)14時『加害者探求』
17時シンポジウム
終了後全体打ち上げ

■入場料 

1,500円(シンポジウム含)  シンポジウムのみ500円

■上演会場

座・高円寺1